”スピードを競うわけでもなし、勝敗がつくでもない。
自然と親しむという文化的要素が強いことから、登山を「スポーツ」と捉えるのに抵抗がある人も多いでしょう。しかし、北アルプスの縦走などを例にとると、その運動強度はサッカーやテニス、ジョギングなどに匹敵します。登山という運動がいかにハードであるかを認識し、それに備えれば、もっとラクに快適に登山を楽しむことができるはずです。
今回の特集では、第一部で歩き方や姿勢、また自身の体力を客観的に把握することを提案し、第二部では長く登山を続けるためのメンテナンスなどについてご紹介します。”
と、なんともスバラシイ書き出しの『山と溪谷』カラダ特集から、役立った歩き方Tipsをいくつか。
胸を張る、それだけ。
立つときも歩くときも、真っすぐな軸を保つ。まず胸を張る。すると、頭が上がる、背筋が伸びる、骨盤がたつ。結果、真っすぐな軸ができ、頭、肩、腰、くるぶしが一本の直線上になる。骨格で立つことで筋肉への負荷も軽減される。
軸を保ったまま重心移動
「脚で登る」から「全身で登る」に意識をチェンジ。
脚を先行させて体を引き上げるのではなく、真っすぐな軸を意識し、重心を前脚に移動してから腰を上げるように立ち上がる。
もっと骨盤を使って動く
ウエストをクイッと曲げるように、片側の骨盤で脚を引き上げる。
意識的に動かすのは骨盤だけで脚はそれについていく感じ。股関節と膝は軽く曲げるだけ。
ストックワークは「タ・タン」のリズムで
ストックと足を同時に前に出し、足の負担を腕に分散させる。それは間違いではないが、ストックを先行させて三点支持を意識するとバランスアップと疲労軽減も可能になる。
おまけ:達人たちの歩き方
達人(A)
1.山に優しく歩くと疲れない
2.下半身を使い、頭の高さを一定に
3.姿勢、呼吸、無心
達人(B)
1.安定した足の置き場を確保
2.リズムよく歩き、足の接地時間を短く
3.体の上下運動を最少に
達人(C)
1.歩幅を小さく、足の裏を見せずに丁寧に
2.2本のレールをなぞるように歩く
3.ゆっくり歩く
詳しくは本誌、山と溪谷2016年3月号で
P.S.
「ここの筋力をつけると膝痛に悩まされずに済みますよ」と、大腿四頭筋の強化にはやはりスクワットか…